廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「何ですか、騒々しい!」

おばあ様の叱責にもめげず、ミレイユは叫んだ。

「た、大変です!お客様が来られました!」

「……そう。で、どちら様?そんなに焦るのだから、相当な大物なのでしょうねぇ」

これは叱っても無駄だと思ったのか、おばあ様は皮肉たっぷりに返した。

「はいっ!ダリオン様がユグリス殿下とアルカディアの国王陛下を連れて、エスカーダ邸に帰って来たのですっ!」

「へぇ。ダリオンがユグリス殿下と……は?なんですって?アルカディアの国王ですって!?」

おばあ様は驚いて真顔になり、とっさに私を見た。
アルカディアの国王、確か名前をシルヴェスター陛下と言ったかしら。
その方が、どうしてユグリス王子とここに?
理由がわからず、私とおばあ様は同じ角度で首を傾げた。
そんな私たちを見て、ミレイユは得意気に言った。

「アルカディアの国王陛下は、ぜひともルキア様に会いたいと仰っておりました」

「えっ?私に?」

なんでアルカディアの国王が?
疑問はますます膨らんだ。

「はい。とりあえずみなさまは応接室の方にご案内しております」

「……わかったわ。何にせよ、一国の王と自国の王子が来て、会わないわけにはいかないもの。ルキア、行きましょう」

「は、はい」

私たちは三階寝室から、二階にある応接室へと移動した。
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