廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「まずは会うことが大事、でしょ?新しい関係の第一歩はご挨拶から!……じゃないかな?」

ふふっ、と子どもらしく微笑むと、周りの空気がほんわかした。
七歳の少女の純粋な願いなら、きっとみんなは聞いてくれる。
実際中身は純粋とは程遠い、世間の荒波に揉まれ、世の中の辛酸を舐めてきた姑息なアラサーなんだけど。

「わかりました。私達もこのままではいけないと考えていたのです。ルキア様が来てくださったのはきっと運命だったのでしょう。どうか、カトレア様をもう一度『レグナントの高貴なる華』と呼ばれたあの頃のように……」

セルジュとメイドたち三人は、私に向かって頭を下げた。
私のような子どもに、これほど切実にお願いするなんて、よほどカトレア様の状態は悪かったに違いない。
うまく行くかどうかは未知数だし、みんなの願いを叶える自信もないけど、セルジュが言うように私がここに来たのも何かの縁。
だったら、当たって砕ける覚悟で行こう。

「うん、頑張ってみる!」

そう言うと、私は前菜のサラダを平らげた。
腹が減ってはなんとやら。
まずは美味しいご飯で腹ごしらえを、ね?
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