廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
4、悲しみの未亡人
エスカーダ邸の別宅は、本宅の裏手にひっそりと鎮座している。
もともとは別宅が本宅であったようで、趣のある重厚さがエスカーダの繁栄の歴史を物語っていた。
お昼前の柔らかな日差しの中を、私は軽やかな足取りで、蔓バラのアーチを抜けていく。
緑の屋根に、ピンクの小さな薔薇がところ狭しと咲き誇る様は圧巻だ。
素晴らしい中庭の風景に圧倒されつつ、私は先程セルジュに聞いた話を思い出していた、
カトレア・ザイム・エスカーダ。
元の名を、カトレア・ザイム・フェルネ・レグナント。
彼女は、先代国王の妹で、現レグナント国王の叔母にあたる。
若いころから美しく聡明で、社交界でも一番権力を持つ女性であった。
そのため、王家から離れた今でも、他の王族から敬称で呼ばれる唯一の人である。
様々な国から結婚の申し込みがあったが、ある舞踏会でディミトリ・エスカーダと出会い宿命的な恋に落ちて結婚。
当時は珍しい恋愛結婚だったのだそうだ。
二人は、エスカーダ領で仲睦まじく暮らし、やがて息子のエレウスが生まれる。
そして彼も結婚し、孫のダリオンが誕生してエスカーダ家は順風満帆だったのだけど……。
それからまもなくディミトリが亡くなり、一年後、エレウス夫妻が事故で死亡。
そのことがきっかけで塞ぎこんでしまい、今日に至る。
エスカーダ邸の別宅は、本宅の裏手にひっそりと鎮座している。
もともとは別宅が本宅であったようで、趣のある重厚さがエスカーダの繁栄の歴史を物語っていた。
お昼前の柔らかな日差しの中を、私は軽やかな足取りで、蔓バラのアーチを抜けていく。
緑の屋根に、ピンクの小さな薔薇がところ狭しと咲き誇る様は圧巻だ。
素晴らしい中庭の風景に圧倒されつつ、私は先程セルジュに聞いた話を思い出していた、
カトレア・ザイム・エスカーダ。
元の名を、カトレア・ザイム・フェルネ・レグナント。
彼女は、先代国王の妹で、現レグナント国王の叔母にあたる。
若いころから美しく聡明で、社交界でも一番権力を持つ女性であった。
そのため、王家から離れた今でも、他の王族から敬称で呼ばれる唯一の人である。
様々な国から結婚の申し込みがあったが、ある舞踏会でディミトリ・エスカーダと出会い宿命的な恋に落ちて結婚。
当時は珍しい恋愛結婚だったのだそうだ。
二人は、エスカーダ領で仲睦まじく暮らし、やがて息子のエレウスが生まれる。
そして彼も結婚し、孫のダリオンが誕生してエスカーダ家は順風満帆だったのだけど……。
それからまもなくディミトリが亡くなり、一年後、エレウス夫妻が事故で死亡。
そのことがきっかけで塞ぎこんでしまい、今日に至る。