廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「さて。では改めて語るとしよう。私とシルヴェスターは外遊先で知り合い、考え方が良く似ていたことから、すぐに打ち解けた。しかし、帰国し暫く経った頃、隣国フェルナンシアが政情不安に陥ったのだ……」

ユグリス王子は、先程のシルヴェスター陛下の話を補足するように語り始めた。

ーーフェルナンシアが王家によって財政難になり傾きかけた頃、ユグリス王子は内乱を危惧していた。
内乱が大きくなれば、レグナントにも被害が及び、人的被害が増す。
なるべく最小限で被害を押さえたいと考えていたところに、アルカディアのシルヴェスター陛下から提案があった。
陛下は、自分がフェルナンシアに潜入し、反乱軍を組織してレグナントと結託するように手配する。
その後、すみやかにレグナント軍を招き入れ王家を打倒するという作戦を提案したのだという。

「王家に個人的な恨みもある。だが、私の一番の目的は、フェルナンシアで冷遇されているルキアを救い出すことだった」

シルヴェスター陛下が話に加わると、殿下が言葉を返した。

「そう、君は娘を救うためだけに一国を滅ぼし、しかも滅ぼした国を無償でレグナントにくれるという。いやはや、怖い男だよ」
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