廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「怖い?親ならば当然だ。もし、ルキアがフェルナンシアにおいて幸せなら、私は見守るつもりであった。しかし!あの人でなしどもは、私の娘を廃屋に押し込めたのだぞ?命があるだけでも、感謝してもらいたい」

先程まで、穏やかに笑っていたシルヴェスター陛下は、ガラリと雰囲気を変えた。
さすがに、大国アルカディアを率いる国王。
私には穏やかであっても、不意に見せる一面は、幾度も死線を潜り抜けてきた迫力がある。

「なるほどねぇ。それにしても、反乱軍の指導者だなんて、劇団員も顔負けの演技ですこと」

おばあ様が冗談ぽく言うと、負けずに陛下も冗談で返した。

「アルカディア劇団にいた経験が役立ったかな?」

「ふふっ。そうかもしれませんわね。で、結果的に作戦は大成功したということね?」

「恙無くね。だが大きな問題が残った。王家の処遇だ。元凶である国王や王妃、第一王女を厳罰に処せば、ルキアにも何らかの罰を下さねばならない。それを避けるために、ユグリスに頼んで、王家全員を一旦、救うことにしたのだ」

「良かったわ……ルキアは何も悪くないのだもの」

私を心配そうに見つめ、おばあ様は気遣う表情をした。
心配をしてくれるおばあ様に感謝しながら、私はフェルナンシア最後の日を思い出していた。
あの日の王家に対するあまりにも甘い処遇は、私を助けるためのものだった。
そのことを知って、一気に胸が熱くなった。
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