廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
私は頷いた。
ナリスがルイザ様暗殺を企てたことにより、レグナント側は、フェルナンシア王家の者を断罪せざるを得なくなった。
それは、国王や王妃、ナリス……もしかしたらエミルまでも、なにかしらの罪に問われるかもしれない。
そして、私も……。
王族の命を狙った一族を、寛容に許した歴史など私は知らない。

「ルキア……いや、もう君はアルカディアのルキア姫だ。一度アルカディアに帰国するといい」

「え……」

思いもよらない提案に呆然としてしまった。
しかし、おばあ様も陛下もダリオンも、わかっていたように表情を変えなかった。

「このままレグナントにいると、君の立場が悪くなる。未だ、他の貴族達は真実を知らない。レグナントの王族を暗殺しようとしたフェルナンシア王家縁の者が、のうのうと大英雄に保護されているのを良くは思わないだろう」

「……はい。確かに、そうです」

「だから、アルカディアで正式に王女の称号を得、フェルナンシア王家とのつながりを断てば、また晴れてレグナントに来られるのではないかと考えたのだ」

ユグリス王子は何もかもをわかっているように微笑んだ。
きっと、私の気持ちを考慮した上で、この提案をしたのだと思う。
エスカーダ公爵家に残りたい気持ちと、シルヴェスター陛下とじっくり語り合いたい気持ち。
昔のお母様のことや、一族のこと、知らなかった過去を陛下に教えてもらいたいと思っていた。
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