廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
6、大英雄と最後の夜

フェルナンシア元王女、ナリスによる「ルイザ妃殿下毒殺未遂事件」は、すぐにルミナリエス内に広まった。
ユグリス王子指揮の下、捕えられたナリスはフェルナンシア元国王と王妃と同じ離宮に一旦幽閉され、三度の裁判を経て刑が確定した。
フェルナンシア元国王、王妃、ナリスは共にゴラック男爵が管理する北の鉱山の採掘場に送られ、終身労働をすることになった。
そう、あのユーデリィア・アラスが嫁いだ地である。
採掘場は、一部の正規労働者の他に、今回のように刑が確定した罪人も受け入れている。
この一筋縄ではいかない土地で、なんとユーデリィアは才能を開花させたらしい。
おばあ様情報によると、ゴラック男爵とユーデリィアは、思いがけず意気統合し、共に採掘場にて真面目に厳しく労働者を管理しているのだとか。
ナリスの刑に関しては、軽すぎると不満を漏らす貴族もいた。
王族の暗殺を企てた者は、今まで死罪が妥当とされていたからだ。
そうならなかったのは、ルイザ様の慈悲深さのおかげである。
自分が殺されかけたのにもかかわらず、ルイザ様はナリスの死罪を望まず、裁判官もユグリス王子もその意志を尊重したのだ。
結局、どちらが良かったのか……私にはわからない。
でも、死んで償うより、恥辱にまみれながら生きるほうが、少なくとも彼らにとっては辛い罰になるような気がしていた。

それから、フェルナンシア元第二王女エミル。
彼女については、ロイス王弟殿下及び正妻マリー様が罪の軽減を申し出た。
大人しく従順で忍耐強いエミルは、王弟殿下の屋敷でマリー様の子供たちの面倒を進んでみていた。
その姿を見たマリー様が、側室などではなく、正式に家庭教師として雇いたいと言ったのだそうだ。
その願いは叶い、エミルは平民として、王弟殿下の屋敷にとどまることになったのである。
奴隷商人たちは、秘密裏にアルカディアに送られ、そこで数々の尋問を受けるのだそうだ。
未だ各地には、奴隷商人の仲間が散らばっており、彼らと裏で繋がっている国もある。
それを全て根絶やしにするのが、シルヴェスター陛下の願いなのだ。
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