廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「誰?」
静寂が支配する部屋に、ピンと張り詰めた声が響く。
声の主の姿は、逆光で良く見えない。
ただ、背筋を伸ばし椅子に腰掛けたシルエットが見えるだけだ。
「あ……あの……」
足を止め、私は演技を開始する。
「……子どもの声?……ああ、そうだったわね。確か、ダリオンが連れてきたというフェルナンシアの王女。ユグリス殿下も何を考えているのか……余計なことを」
カトレア様……だろう人物は杖を掴んで立ち上がる。
そして、しっかりとした足取りで、私の元まで真っ直ぐにやって来た。
目が良く見えないせいか、どこか虚ろであるけれど、とても美しい人だ。
錦糸のような金髪に、空色の瞳。
面差しはダリオンに少し似ている。
その昔「レグナントの高貴なる華」と称賛されたのは真実なのだと思った。
フェルナンシアの王妃やナリスがどんなに頑張っても手に入らない、気品を持ち合わせている。
「誰もここには来てはならぬ、と言い付けておいたはずなのだけど」
「す、すみません……敷地内を散歩中に迷ってしまって……」
迫力に気圧されてはいけない。
私は必死で答えを返す。
静寂が支配する部屋に、ピンと張り詰めた声が響く。
声の主の姿は、逆光で良く見えない。
ただ、背筋を伸ばし椅子に腰掛けたシルエットが見えるだけだ。
「あ……あの……」
足を止め、私は演技を開始する。
「……子どもの声?……ああ、そうだったわね。確か、ダリオンが連れてきたというフェルナンシアの王女。ユグリス殿下も何を考えているのか……余計なことを」
カトレア様……だろう人物は杖を掴んで立ち上がる。
そして、しっかりとした足取りで、私の元まで真っ直ぐにやって来た。
目が良く見えないせいか、どこか虚ろであるけれど、とても美しい人だ。
錦糸のような金髪に、空色の瞳。
面差しはダリオンに少し似ている。
その昔「レグナントの高貴なる華」と称賛されたのは真実なのだと思った。
フェルナンシアの王妃やナリスがどんなに頑張っても手に入らない、気品を持ち合わせている。
「誰もここには来てはならぬ、と言い付けておいたはずなのだけど」
「す、すみません……敷地内を散歩中に迷ってしまって……」
迫力に気圧されてはいけない。
私は必死で答えを返す。