廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「やっぱり。お部屋に演劇のチラシがあるのを見たの。だから、そうかなって」

「なるほど。ええ、ルキア様の推察どおり、カトレア様は亡き旦那様と観劇なさるのがお好きでした。しかし、視力の低下によりそれもままならず。ディミトリ様たちを亡くされた悲しみと楽しみを奪われたこと……それが塞ぎ込む原因でしょう」

「そうね……カトレア様、辛いことがいっぱいあったのよね」

「はい。せめて、視力が悪くなければ、また観劇されて元気を取り戻せるかもしれませんが」

セルジュの言葉に、私はピンと来た。
ディミトリ様や他の家族を取り戻すことは出来ない。
死人を甦らせる方法なんてこの世のどこにもない。
だけど、カトレア様の元気を取り戻す方法は……ある。

「あのね、一つお願いがあるの」

微笑んで言うと、セルジュは首を傾げた。
そんな彼に、私は内緒話の如くお願いの内容を伝える。

「……それは……なんと、まぁ……」

破顔して目尻に深く皺を寄せたセルジュは、素早く呼鈴を鳴らす。
すると、暫くして屋敷の各所からエレナ、ローリー、ミレイユが颯爽と現れた。

その後、私とセルジュ、メイド三人は作戦を完遂するための作戦会議に入ったのである。
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