廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「ルキア様の髪は、いつみても美しいジンジャーヘアですわね!ダークブラウンの瞳と良くお似合いで、人目を引きますわ」

「そ、そう?あまり髪を褒められたことはないわ。どちらかというと……蔑まれた方が多いかも」

フェルナンシアは栗毛か金髪が多い。
それはここレグナントでも同じで、赤毛のジンジャーヘアは珍しい。
東の果ての少数民族にいるという話を聞いたけど、私とお母様以外、赤い髪の人間に出会ったことはなかった。
姉ナリスや王妃からは髪の色で悪口を言われることもあった。
汚い色とか、蛮族だとか。
でも、お母様と同じ色のこの髪を私は誇りに思っている。

「蔑む……ですって?」

突然怒りに震える声が聞こえ、私はビクッと肩を震わせた。
見るとエレナが、鬼のような顔で怒りを顕にしている。

「エ、エレナ?あの……」

「何ということでしょうか!このように美しいルキア様の髪を蔑むなど……私、許せません」

「あ、うん。ありがとう。エレナがそう言ってくれて嬉しいわ」

「今度何か言われたら私に言って下さいませね!必ず……してやりますわ!」

必ず……の後にとても物騒な言葉が聞こえた気がしたけど、たぶん気のせいよねぇ?
ちらりと視線を上げると、エレナがフンッと鼻息を荒くしていた。
いつも冷静で理性的なエレナが、こんなに怒っているのを見たのは初めてかもしれない。
まだ、怒りが収まらない様子のエレナが何か言う前に、私は話題を変えることにした。
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