廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「僕の話はもういいよ。それより、みんなの反応はどうだったかな?」

セドリックは、いきなり話題を変えた。
天才と言われるのが照れくさいのかほんのりと頬が赤い。

「今日は特別反応が良かったですよ!少し前までみんな暗い顔をしていたのに、ほら見て下さい!」

ローズは療養所の患者たちを指差した。
孤児院の子供を除くと、あとは同じ寝巻きを着ている入院患者である。
松葉づえをついた老人や、車椅子に乗った女性。
私やセドリックと同じ年頃の男の子は、父親らしき人に抱かれている。
その全員が酷く痩せていて、顔色も悪かった。
でも、人形劇が終わってからは、表情が明るくなったみたいだ。

「あの、ローズさん。みなさんの病気は重いのですか?」

「え……あ、うん。ここにいるのはね、原因不明の病気を抱えた患者ばかりなんですよ」

「原因不明?」

「ええ。体が痺れて思うように動けなくなり、終いには寝たきりになるんです。老人も子どもも関係なく突然発症して、何が原因かもわからない。本当に厄介な病ですよ」

ローズは力なく言った。
そうだったのね。
みんなが楽しそうに人形劇を見てくれるから、治る病気だとばかり思っていた。
でも、実際は手の施しようがなく、寝たきりになってしまう恐ろしい病だなんて。
ああ、だから……セドリックは人形劇をしているのだわ。
< 81 / 228 >

この作品をシェア

pagetop