廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
「あの……申し訳ありません。ダリオン様」

何が悪いのかは全然わからなかったけれど、これ以上、ダリオンの機嫌を損なうのはよろしくない。

「……」

前を向いたままのダリオンは何も言わない。
わかっていたことだけど、完全無視は結構堪えるわ……。
少し悲しくなりながら、窓の外に視線を移したその時、ダリオンの低い声が聞こえた。

「……興味があるのか?」

「え?えっと……」

何のことだろう?
驚いて口ごもると、ダリオンが続けた。

「城郭の造りや戦術について、だ」

「あ、ええ、はい。エスカーダの本邸の図書室にあった戦術書がとても合理的で分かりやすく、つい夢中になって読んでしまいました」

「エスカーダ本邸の戦術書……それは……」

「あら?それはダリオンが編纂したものではなくて?」

ダリオンよりも早く答えを言ったのはおばあ様だ。
したり顔をしているように見えるのは……気のせいですよね?
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