廃屋の捨てられ姫は、敵国のワケあり公爵家で予想外に愛されています
3、王宮晩餐会

王宮正面で馬車を降りると、そこは七色の光に満ちていた。
外観の厳つさからは程遠い、華やかで煌びやかな世界。
開け放たれた扉から、漏れる明かりですらこれなのだから、会場内はもっと凄いのだろう。

「カトレア大叔母様!お待ちしておりました」

声と同時に、ロビーでたむろしていた貴族たちが、一斉に脇に避けた。
その真ん中から颯爽と現れたのは、ユグリス王子である。

「あら、これは殿下。わざわざ来てくださったということは、エスコートをして頂けるのかしら?」

おばあ様は、スッと手を出した。
ユグリス王子はその手を取ると、スマートに自分の腕へと促した。

「ええ。そのつもりです。王族一同、大叔母様の復帰を心待ちにしていましたからね」

「嬉しいわ。そういえばルキアをエスカーダに預けるのを決めたのは殿下だそうね。私、お礼を言いたいと思っていたのよ」

「お礼など……私とて、まさかこのような結果になるとは考えていませんでしたから」

「本当に?思慮深いあなたでも?」

おばあ様は含みのある言い方をしたが、ユグリス王子は淡々と続けた。
< 97 / 228 >

この作品をシェア

pagetop