堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「それで、例のパーティは?」
 座るや否や、彼女は尋ねてきた。

「それが気になっているようだな」

「もちろん。焦らさないで教えてよ」
 と、いつものマリーとは異なり、その件に興味を持っているらしい。早く教えなさいよと言わんばかりの態度。

「いつも焦らされている私の気持ちがわかったかな?」
 そこでアンディは一口、薄い茶色の液体を飲む。氷がカコンと鳴る。こんな彼女を支配下に置くのも悪くはない。

「まあ、私は焦らしてなんかいないけれど?」
 プイっとそっぽを向く彼女はどこか子供っぽくも見える。その妖艶な容姿と反しているにも関わらず、魅力的だ。

「マリー、拗ねないでくれ」
 結局、負けるのはいつも自分だ。彼女に嫌われてしまったら元も子もない。

「拗ねていないけれど?」

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