オトメは温和に愛されたい
 お風呂に二人きり、というシチュエーションから、甘い男女の蜜月みたいなのに発展しちゃうかも!? きゃーっ!とか、少しばかり淡い期待をしてしまった私が甘かったです。

 お風呂場に移動したらすぐ、温和(はるまさ)に、浴槽の(ふち)に腰掛けてスカートを膝上までまくり上げるように言われてしまって。

「あっ、あのっ、でも……ほら、それやっちゃうと……あれよ……その……」

 しどろもどろで下着が見えるかもしれないじゃん?と伝えようとする私に、

「パンダのパンツならとっくに見てる」

 ひぃー。そういうことをサラッと言わないでっ。色気のないパンツと言われた時より、パンダ柄を明言された方が数百倍恥ずかしー!

「み、見られたからって……はいそうですかってまた見せるわけにはいかないんですけどっ! その、わたっ、私もっ、一応うら若き……おと……女性です……のでっ」

 うら若き乙女と言おうとして、また名前でからかわれたらたまらないと言い直して別の言葉を選んだら、そういうところは本当、嫌になるくらいめざといの、温和(はるまさ)って。

「遠慮なくうら若き乙女って言えばいいのに」

 言ってククッと喉を鳴らすと、「また俺にからかわれると思った? 自意識過剰」とか……さすがに落ち込むって。
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