オトメは温和に愛されたい
 しっ、下着っ、透けてるっ!?

 今日の私、ほとんど白に近い淡いピンクのブラウスに、シフォン素材の小花柄のスカートを身につけていた。薄い布地な上に色合いも濃くなくて、濡れたらしっかりブラジャーが透けてしまう仕様で。

 一日のうちに、ショーツだけじゃなく、上まで見せてしまうとか……私、下手したら温和(はるまさ)の中で痴女に分類されちゃうよっ。

 考えただけで寒さからだけじゃない震えが身体を駆け上ってきて、私はギュッと胸元を抱きしめたまま必死で言葉を探す。

「あっ、あのっ。わ、私っ、ハル(にい)にとっては妹みたいな……ものだと思、うし……えっと……そ、そんな私のし、下着姿なんて見ても……きっとハル(にい)的には何ともないと思う、けどっ。えっと……そ、それでもやっぱり、わたっ、私が……! 恥ずかしい……ので……タオルか何か貸してもらえると……嬉しい、です……っ」

 さ、寒いですしね!?
 吐き捨てるようにそう付け加えてから、私は自分でも何を言っているのかよく分からなくなっていた。

 でも、重要なのは「タオルが欲しい」という気持ちが通じること。最悪そこさえ伝わっていれば、もう他はどうでも……。
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