逆プロポーズした恋の顛末
「…………」
振り返った尽は唖然としていたが、我に返って抗議する。
「んで、まぎらわしいこと言うんだよっ!」
「単純に事実を言っただけでしょっ!? 尽が向こうへ帰る日を先延ばしにはできないんだし! だから、これからどうするかを話し合おうと……」
「結婚するしかねーだろ」
間髪入れずに言い放った尽に、今度はわたしがあっけに取られた。
「……え?」
「必要としてるってことは、幸生の父親で、律の夫にしてくれるってことだろ?」
「そ、それは……そう、なる……けど」
歯切れの悪いわたしの答えに、尽はむっとした顔で文句をつける。
「んだよ、そのイヤそうな反応は」
「い、イヤそうって! 愛の感じられないプロポーズしておいて……っ!」
もっとロマンチックなプロポーズをしろ、と憎まれ口を叩こうとした唇は、あっという間にわたしの目の前までやって来た、尽の唇で封鎖された。
「あんまりごちゃごちゃ言うと……襲うぞ」
もう襲ってる、と言おうとしたけれど、声ごと呑み込まれる。
久しぶりに味わう巧みなキスの快感に、理性は頭の隅へと押しやられ、幸生がすぐそこにいるのだと焦る気持ちも、あいまいになっていく。
もっと他の場所にも触れてほしい。
わたしからも、触れたい。
キスだけでは、満足できない。
押し寄せる欲望に流され、尽の頭を抱え込もうとしたタイミングで、唇が解放される。
「……ちゃんと感じられただろ?」
濡れた唇で、ニヤリと笑う顔が最高に……
(憎たらしい! なんで、そんなに余裕たっぷりなのよ!)
「ある程度は」
「ある程度? まだ足りねーのかよ? だったら、」