悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います
「塩はたしかに海水から取ることができます。
ですが、この領地では難しいでしょう。
ここは雨が多い地域です。塩田を設けることは気候的に無理ですし、うちは石炭などの燃料はありません。
立地的にも三方を精霊の森に囲まれているため、木々の伐採などはもってのほか。
つまりマキを作ることもできないのです」
「えええ、じゃあ燃料はどうしているの?」
「燃料は精霊王様にお許しを得て、枯れ草や枯れ枝などを賜るか、それ以外はすべて外から買い取っている状態です。
もし釜焚きなどで塩を取ろうとしても、塩を買うお金よりも燃料代の方がかかってしまいます」
「えーーと。じゃあ火の魔法を使える人に頼んでちょちょいと」
「うちの領地は氷の魔法の領地です。
火の魔法を使える者はセンテンシア領にはおりません。
また、火の魔法の領地から人を連れてこようにも、就職先も多いため、うちのような地域には来ないでしょう」
かなり無情なことを言うラディウス様。
あれ。なんだろう。いきなり積んだ。
魔法でチートする予定だったのに。
転生漫画の主人公なら日本の技術を使ってチートができたはずなのに。
ううう、火の魔法でぱぱぱっと塩を♪とか簡単に考えていた。
「そ、それじゃあ昔からここに住んでいた人たちは、どうやって塩を手に入れていたの?」
「わかりません」
私の質問に美形の決め顔できっぱり言うラディウス様。
「わ、わからないの?」
「この領地は神の子といわれる長寿の種族エルフが捨てた城塞をそのまま使っています。
人間がこの地に移り住んだ時にはすでに塩は輸入していましたから」
あ、そっかここは、王位争いから脱落した王族をエルフが捨てた廃墟に無理やり移住させたのが始まりなんだっけ。
「エルフたちはどうやって手に入れていたんだろう?」
「さぁ、どうでしょうか。そもそも彼らの体が塩分を必要としていたかどうかもわかりません。
私たちも輸出を考えなければ、塩分は魚からの摂取で足ります。
ですが外貨を得るなら、魚の干物や塩漬けなどの加工品を売ったりするくらいしか方法はありません。
海水で作ったのでは塩分濃度にムラができるため、商品として輸出できるかも微妙になります」
ラディウス様が困ったように言う。
たしかに。この地の領民が個人レベルで摂取する塩分だけを考えるなら、それぞれが魚を食べていればいいだけの話だ。
だが、冬の保存食、そして外貨を稼ぐ魚の干物や塩漬けなどの輸出品を作るためには、どうしても塩が必要。
精霊の森には精霊王様が住んでいるため、森からの恵みは領地内の消費分なら許されるが、外貨を稼ぐために乱獲することは禁止されている。
だから海産物に頼るしかない。ある程度の量の塩が手に入らないとセンテンシア領は外貨を稼ぐ手段がなくなってしまう。
このまま手をこまねいていたら、借金苦におちいりカルロさんはやむなく結婚してしまう。
そうなると彼は後妻に操られて、一方の私はそのまま王族に売り飛ばされ、破滅街道まっしぐらだ。
ううーん。どうしよう。……そうだ!
『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』
マリー・アントワネットが言ったとされるその言葉。
まぁ実際、彼女はそんなことを言ってはいないらしいけれど、問題点はそこじゃない。
火がないなら凍らせればいいじゃない!ということだ。
なんでこんなことに気づかなかったのだろう。
私は思い出した。塩って凍らせても取れるんだぜ、ドヤァ!と。
凝固点だよ凝固点! 海水を冷凍庫で凍らせると、凍った水分に押し出されて塩分が出てきちゃうって理科の授業でやったじゃない! たしか水の凝固点より塩の凝固点の方が低いんだ。
ですが、この領地では難しいでしょう。
ここは雨が多い地域です。塩田を設けることは気候的に無理ですし、うちは石炭などの燃料はありません。
立地的にも三方を精霊の森に囲まれているため、木々の伐採などはもってのほか。
つまりマキを作ることもできないのです」
「えええ、じゃあ燃料はどうしているの?」
「燃料は精霊王様にお許しを得て、枯れ草や枯れ枝などを賜るか、それ以外はすべて外から買い取っている状態です。
もし釜焚きなどで塩を取ろうとしても、塩を買うお金よりも燃料代の方がかかってしまいます」
「えーーと。じゃあ火の魔法を使える人に頼んでちょちょいと」
「うちの領地は氷の魔法の領地です。
火の魔法を使える者はセンテンシア領にはおりません。
また、火の魔法の領地から人を連れてこようにも、就職先も多いため、うちのような地域には来ないでしょう」
かなり無情なことを言うラディウス様。
あれ。なんだろう。いきなり積んだ。
魔法でチートする予定だったのに。
転生漫画の主人公なら日本の技術を使ってチートができたはずなのに。
ううう、火の魔法でぱぱぱっと塩を♪とか簡単に考えていた。
「そ、それじゃあ昔からここに住んでいた人たちは、どうやって塩を手に入れていたの?」
「わかりません」
私の質問に美形の決め顔できっぱり言うラディウス様。
「わ、わからないの?」
「この領地は神の子といわれる長寿の種族エルフが捨てた城塞をそのまま使っています。
人間がこの地に移り住んだ時にはすでに塩は輸入していましたから」
あ、そっかここは、王位争いから脱落した王族をエルフが捨てた廃墟に無理やり移住させたのが始まりなんだっけ。
「エルフたちはどうやって手に入れていたんだろう?」
「さぁ、どうでしょうか。そもそも彼らの体が塩分を必要としていたかどうかもわかりません。
私たちも輸出を考えなければ、塩分は魚からの摂取で足ります。
ですが外貨を得るなら、魚の干物や塩漬けなどの加工品を売ったりするくらいしか方法はありません。
海水で作ったのでは塩分濃度にムラができるため、商品として輸出できるかも微妙になります」
ラディウス様が困ったように言う。
たしかに。この地の領民が個人レベルで摂取する塩分だけを考えるなら、それぞれが魚を食べていればいいだけの話だ。
だが、冬の保存食、そして外貨を稼ぐ魚の干物や塩漬けなどの輸出品を作るためには、どうしても塩が必要。
精霊の森には精霊王様が住んでいるため、森からの恵みは領地内の消費分なら許されるが、外貨を稼ぐために乱獲することは禁止されている。
だから海産物に頼るしかない。ある程度の量の塩が手に入らないとセンテンシア領は外貨を稼ぐ手段がなくなってしまう。
このまま手をこまねいていたら、借金苦におちいりカルロさんはやむなく結婚してしまう。
そうなると彼は後妻に操られて、一方の私はそのまま王族に売り飛ばされ、破滅街道まっしぐらだ。
ううーん。どうしよう。……そうだ!
『パンがないならお菓子を食べればいいじゃない』
マリー・アントワネットが言ったとされるその言葉。
まぁ実際、彼女はそんなことを言ってはいないらしいけれど、問題点はそこじゃない。
火がないなら凍らせればいいじゃない!ということだ。
なんでこんなことに気づかなかったのだろう。
私は思い出した。塩って凍らせても取れるんだぜ、ドヤァ!と。
凝固点だよ凝固点! 海水を冷凍庫で凍らせると、凍った水分に押し出されて塩分が出てきちゃうって理科の授業でやったじゃない! たしか水の凝固点より塩の凝固点の方が低いんだ。