悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います
「そうだ! 凝固点! ──私、ちょっと行ってくる!」

 私ががたんっ!と音を立てながら立ち上がった途端。

「あー、レティお嬢様遊びに来ていたのー?」

 声をかけてきたのは、神殿に隣接する孤児院の子どもだった。

「あれ、リンちゃんたち。皆揃ってどこか行くの?」

 声をかけてきたリンちゃんを合わせて、孤児院の子どもたちは全部で四人。
 ツインテールのかわいい小さな女の子、ロロちゃん。
 私と同い年の茶髪でロングの少しお姉さんっぽいリンちゃん。
 ひとつ年上のやんちゃで金髪のリカルド。
 一番年上で黒髪のグレンお兄ちゃんの仲良し四人組。

「うん。今から西の方へ行くの」

 リンちゃんがニコニコ顔で答える。

「お嬢様もどこかに行くの?」

「うん。港に行こうと思って!」

「え、ひとりで?」

「うんそうだよ!」

 私がリンちゃんに答えると、ラディウス様がふむとうなずいた。

「グレン。もし森の方へ散歩に行く予定だったのなら、行き先を港に変えることはできますか?
 レティお嬢様がひとりで港に行くのは危険ですから、ついていってあげてもらいたいのですが」

「はい。わかりました。──行きましょう、レティお嬢様」

 ラディウス様のお願いにうなずいて、年上のグレンお兄ちゃんがにっこり私に微笑んだ。
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