悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います
「……ったく。お前はいつも俺たちの邪魔をするよな」

 神殿を出て海に向かう途中、リカルドが私に悪態をつく。

「なにかする予定だったの?」

「あのねー。森の入り口で落ち葉を拾って、セクターさんのところで買い取ってもらうつもりだったの。
 グレンお兄ちゃんのガクヒを集める予定だったのー」

 私の問いにロロちゃんが答える。

「リカルド。ロロ。その話はお嬢様にしたらダメだと言っただろう?
 それに学費とかいらないから。たまったお小遣いはみんなのおやつ代にでもしよう」

 グレンお兄ちゃんがふたりをメッと叱る。

「グレンお兄ちゃん、学校に行きたかったの?」

 私が聞く。この国で学校というと、王都にある魔法学校『サウスファディス』しかない。

 私は死亡フラグが立つので絶対行きたくない場所。
 あそこは魔力と学力さえ高ければ平民でも特別推薦で入れる枠があった。
 でもすごく勉強ができないとダメだったはず。

「う。うん。まぁ。でもこの話はラディウス様やカルロ様には言わないでくれるかな?
 話せばきっと無理をしてでも入れてくれようとするだろうから」

 微笑むグレンお兄ちゃん。
 たしかに、ラディウス様なら無理をして王都に出してくれそう。

「うん。わかった」

 私はコクリとうなずいた。それにしても……グレンお兄ちゃんどこかで見たことがある。
 たしかゲームの中で出てきた気がする。どんな役割だったろう?

「こんな桶を持ってきて、なにをする予定なの?」

 私がウンウンと考えていると、今度はリンちゃんが聞いてくる。
 屋敷を出る前に厨房に行き、桶を五つ調達してきたので、みんなひとつずつ桶を持っていた。

「うん。塩を作ろうと思うの」

「塩? 釜焚きでもするのかい?」

 グレンお兄ちゃんが小首をかしげた。

「ううん。ちょっと実験。お兄ちゃんたちも手伝ってくれる?」

 そう言って私はにっこり微笑んだ。
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