いきなりセンセーに迫られて。




連れてこられたのは、南野センセーの家。



理由はこう。


頭がパニックで泣いてる私は先生の手に引かれてタクシーに乗った。



ずっと泣くことしか出来なくて知らない間にセンセーのマンションに着いてたというカンジ。



センセーがホットミルクをくれて少し落ち着いた。


「なんでセンセーの家なの?家に連れてって」
「ずっと泣いてて怖い怖いばっかり言ってるし、親に説明するのも今は咎めるし、後で親に連絡して友達の家にいるとか嘘ついてくれるか」




ウソって。


センセーが簡単に言っていいもんじゃないでしょ。



でもセンセーの家にいるとは確かに言えない。



私の家は門限とかなくて出かける時もあまり理由を聞かなくて緩いから彩芽の家に泊まると言ったら納得してくれるはず。



「まずお風呂だな、話はそれから」
「話って?」


「いいからまずお風呂入れ」


「えー気になる」
「いいから早くお風呂入れ」


「はーい」


お風呂で大分落ち着いた。



あのヘンタイ男の顔が浮かぶと背中が凍りそうになるけど思い出さなければいいだけ。


たまたま悪い男に出会っただけ。


今日はたまたま運がなかっただけ。


これからいい男の子に出会ってイヤな記憶を削除しないと!


お風呂から上がると南野センセーがソファーの上に座ってた、、、けどちょっと怒ってる?



「センセーどうしたの?」
「座れ」


「命令形やめてよ」
「なんであそこにいたんだよ」


「え?」
「なんであのホテルにいたのかって」


「聞かないで、思い出したくないの」
「でも助けたのは俺だしお前の担任でもあるんだから知る義務があるだろ」



「それはそうかもしれないけどさー」
「さっさと言え」


「だーかーらー命令しないでって」
「言ってください流川さん、これでいいか」


「桜帝高校の人とカラオケで合コンしてて、でもお気に入りの子がいなくて帰ろうとしたらあの男が誘ってきて断ったら無理矢理ホテルに連れて行かれて、、そしたらセンセーが来たの。」
「…………お前なーー!」


声が大きい、頭痛くなるじゃん。



「なに!」
「まず校則で合コン禁止だろ、それに夜10時まで高校生が出歩いてんじゃねーよ、あと、スカートが短いから変な男から誘われるんだよアホ」


正論だけどルールに縛られたまま生きると楽しく生きれないの。



ルールはたまに破るこそ人生楽しいの!



でも法律は破らないヨ。



パパが弁護士で小さい頃から言われてきたからネ。



「もううるさい、でもなんでセンセーがホテルにいたの?」
「近くの居酒屋で飲んでてタクシーで帰ろうとしたらたまたま流川が男とホテルに入ってるところを見ておかしいと思ったから着いて行ったらまさかの襲われる寸前だとはな」



「センセーありがと〜♡」
「ちょっと前まで怖がってわめいてたお前はどこにいったんだよ」



「襲われてはないからね、でも怖かった」
「もう夜歩くな」


「でも合コンは夜遅くまでするもんだからね〜」
「なんで合コンするんだよ」


「カ!レ!シ!彼氏作るために決まってるじゃん!」
「絶対にいるもんでもないだろ」



「私には絶対欲しいの、彼氏に甘えたいし甘えられたいし愛し合って私だけを見てほしいの!」
「………へー」


「センセーどうしたの?」
「俺じゃダメなのか」


「え?」
「あーやっぱなんでもねえ、風呂入ってくるわ」



私はセンセーの言葉に気になることもなくもう眠気が襲ってきた。



どこで寝ていいか分からないけどベッドで寝たいからセンセーのすごーく広いベッドで大の字で寝る。


多分、キングサイズ。



「あ〜気持ちいい〜!」


「なに人のベッドで寝てんだバカ」
「センセー上がるのはやくない?」


「基本シャワーだけだから」
「そうなんだ」


「それよりなんでど真ん中で寝てんだ、俺のベッドだぞ」
「だってベッドで寝たいんだもん、でも、あ、そっか!分かった私ソファーで寝る」



センセーと一緒に寝ること全く考えてなかった!



アブナイアブナイ。


「ちょっと待て」
「なに?」


「ここで寝ろ、女の子ソファーは俺の気が引ける」
「じゃ、センセーは?」


「俺もベッドだ」
「それはまずいじゃん」



「広いから俺端っこで寝るからいいだろ」
「私のところに来ないでよ?」


「分かってる、寝相はいいから安心しろ」



ってことで………


センセーと同じベッドで寝てる……………。



いつも恋愛の妄想はしまくってる私だけど1度も考えたことないことが起きてる。



人生でほんとーーーに何が起きるか分からないネ!!


センセーの方をチラッと見ると背中が見えて顔は見えない。


「センセー、ぬいぐるみある?」
「なんでだ」


「………えーっと…………………」


いきなり振り向いたセンセーの顔がなんか輝いて見える。


照明のせいかな。


髪はサラサラで目が見えるか見えないかギリギリだけど私を真っ直ぐ見つめてる目が見えて、それがなんかドキッとする。


「おい、聞こえてるか」
「あ、ぬいぐるみあれば欲しいかな〜と思って」


思わず下を向いてしまう。


「ぬいぐるみはないぞ」
「うん、分かった」


いつもぬいぐるみを抱くか怜音を抱きしめて寝てる。


最近は怜音から断られてぬいぐるみが多くて寂しいよお姉ちゃん。



何かを抱きしめないと寝れない。


理由はわかんない。


でも1回くらいは大丈夫なはず。


「センセーおやすみ」
「おやすみ」

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