政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
すべてが目新しくて、私は大満足だったけど、壱都さんはきっと仕事中。
大浴場から出ると、お土産売り場を少し眺めてから部屋に戻った。
「やっぱり仕事してる……」
私だけ、のんびりして申し訳ない気持ちだったけれど、壱都さんのほうは気にしてない。
戻った私に気づくと、にこりとほほ笑んだ。
「どう?すこしは気分が晴れた?」
「え?」
「憂鬱そうだったからね」
「そうですか?」
「うん」
これはもしかして、私のため?
壱都さんはすごく優しい。
でも、井垣の財産もない私が一緒にいてもいいのだろうか―――ずっとそんな思いを消すことが出来ずにいた。
少しだけ暗い顔をしたのがわかったのか、壱都さんがまるで私の心を読んだかのように言った。
「まさか、俺を捨てるつもり?」
「す、捨てるなんて」
「何もかも失った俺の前から消えようとするなんてひどいことはしないよね?」
大浴場から出ると、お土産売り場を少し眺めてから部屋に戻った。
「やっぱり仕事してる……」
私だけ、のんびりして申し訳ない気持ちだったけれど、壱都さんのほうは気にしてない。
戻った私に気づくと、にこりとほほ笑んだ。
「どう?すこしは気分が晴れた?」
「え?」
「憂鬱そうだったからね」
「そうですか?」
「うん」
これはもしかして、私のため?
壱都さんはすごく優しい。
でも、井垣の財産もない私が一緒にいてもいいのだろうか―――ずっとそんな思いを消すことが出来ずにいた。
少しだけ暗い顔をしたのがわかったのか、壱都さんがまるで私の心を読んだかのように言った。
「まさか、俺を捨てるつもり?」
「す、捨てるなんて」
「何もかも失った俺の前から消えようとするなんてひどいことはしないよね?」