政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「正式には本日、取締役会で壱都さんが社長に決まり、就任されました」

「えっ、ええ!?」

「いやー、たった三日だったね。重役達が泣きついてきてさ。仕事ができない社長では困るっていうから、戻ってあげることにしたんだよ。俺は本当に人がいいよね?」

な、なんて……!
わざとらしいにもほどがある。

「これが本当の三日天下ってやつかな」

「ま、待って。壱都さんはこうなることわかってましたよね?」

「どうかな?」

う、嘘つき!
なにが、『何もかも失った俺の前から消えようとするなんてひどいことはしないよね?』よ!
樫村さんもわかっていたに違いない。
バックミラーから、樫村さんは私の顔を見ていた。
鏡越しに目が合うとごめんなさいというように頭を下げていた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


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