政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
自分の今日の服装がカジュアルすぎない服装でほっとした。
けど、ただの安いシャツワンピース。
こんな服装でホテル内のレストランに入れるとは思えないけれど、壱都さんがなにも言わないところをみるとこれで大丈夫なのかな。
入ったなり、白と金の大理石の床、天井にはシャンデリアが吊るされている。
アフタヌーンティーが楽しめる場所の廊下はピンクの花柄の絨毯が敷かれ、白い階段の向こうが会場となっているようだった。
大きな観葉植物が両側で出迎えて―――

「もう、最悪!」

それは聞きなれた声だった。
私と壱都さんの後ろから、歩いてくる女性の集団は大学生くらいで全員がお金持ちのお嬢様。
なぜ、それがわかるのかというと、その中には紗耶香さんがいたから。

「こっちに」

壱都さんは私の手を引き、観葉植物の陰に隠れた。
私を壱都さんは抱き締め、柱と観葉植物の間の狭いその場所にぎゅっと縮こまった。

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