天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「もう、いいの…」
「駄目だ!またいなくなるのか?そんなことは駄目だ」
受け入れられない紅蓮に構わず私は話した。
「紅蓮知ってた?私、紅蓮に想いを告げられる前からずっとあなたが好きだったのよ」
「…」
「はじめは、なんて生意気で意地悪でムカつく皇太子なのかしらって思っていた」
思い出すとクスッと笑みが漏れる。
「でも私のことを身分だけで判断しないその心に惹かれたの。それからあなたはずっと一途に私を愛してくれたわね」
「白蘭…」
やっと紅蓮が術を使うのをやめ私を見た。
「愛しているわ。紅蓮」
「ああ。愛している白蘭」
紅蓮の美しい涙を指で拭い、私は聞いた。
「これからも私に一途でいてくれる?」
「とうに誓った。そなただけを見ると」
「それを聞いて安心したわ…。紅蓮、待っていて…必ず、来世でもあなたを見つけて…。愛すか…ら…」
その言葉を最後に光が白蘭を包み、キラキラと消えた。そして天界と魔界の花々が枯れ月影の懐から白蘭の天空石が消えた。
かつて二人の皇子に愛された娘は跡形もなく消えた
後に残されたのは涙する龍と鳳凰だった。