天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「そろそろ本題に入ったらどうだ?聞きたいのはそんなことではないだろう?」
「聞きたいことは二つある。一つ目は白蘭のことだ。どういう経緯で天界に行ったのか…まさか無理やり連れ去ったのではないだろうな」
今度は紅蓮が鋭い鳳凰の目を光らせた。
「聞きたいか?」
「教えろ」
「白蘭を真の姿に戻したのだ。天女の真の姿にな。それと同時に魔界での記憶を取り戻した。…お前の無力さに絶望していたよ」
「それは…本当なのか?」
白蘭はそんなことは思わない。
疑う紅蓮に失笑すると月影は続けた。
「実際、会いに来ないだろう?すでに白蘭はお前を忘れ天界で健やかに過ごしている。」
確かに会いには来ない。
しかし実際に会って白蘭と話をしない限り信じられなかった。
だが、そんな手段は持ち合わせていない。