天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


無事が確認できれば今はそれで良しとしよう。


「二つ目の質問だ。先日、母上が殺された」

「…それで?」

「魔后宮には強力な水系術の跡が残っていた。父上は思い当たる人物にお前の名を挙げた…私も信じたくはないが考えれば考える程、犯人は月影しか当てはまらないのだ。」

「…」


月影は静かに酒を飲んだ。


「…お前なのか?月影」

「…さあな」

「答えろっ」


パリンッと音をたて酒器が割れた。

それと共に紅蓮の火炎術が月影に向かった。

天帝である月影の反応も早くすぐに水系術で打ち消す。


「あまり私を怒らせない方がいいぞ。紅蓮」

「…違うなら違うと言ってくれ!」

「…」


黙っていることが肯定の証だった。


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