天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「白蘭…一つ聞きたかったんだが人間界に来た時、赤い羽がついた首飾りはしていなかったか?」
「していたわ。でも月影に貸してほしいと言われて今は月影が持っているはずよ」
そういえば返してって伝えるのを逃していた。
「そうか…」
「あれは前の私にとって大事な物なの?」
「赤い羽は私の鳳凰の羽だ。以前そなたに送った物だ」
「そうなの!?知らないとはいえ月影に渡してしまったわ…帰ってきたら返してもらう!」
「いや…新しいものを渡そう」
紅蓮は赤い翼を出すと自身の羽を抜こうとした。
「ちょっと待って!」
「なんだ?」
「綺麗な羽なんだから何枚も抜くの勿体ないわ。月影に返してもらうから大丈夫よ」