マエノスベテ

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 三人でおせっかいおばさんの家を目指すこととなった。
着くまでの間、「男女間の友情ってあると思う?」
というテーマで議論がかわされた。
性別以前に人間との間の友情の問題だとぼくは常々考えているし、家で読むときがあるのは人外と仲良くする本が多かった。
「相手を、人間だと、対等だと認めていてやっと成り立つ議論だよね」

ぼくが言うと、彼はそれは言えるねと笑い、彼女は「性別と恋愛自体が、近頃の流行りではもはや関係無さそうですね」と言った。
「ロボットと付き合ってみたいな」
「おい、それは浮気になるぞ」

「浮気と不倫は、なにがどう違うのでしょう……?」

 あと、新作ゲームの話もした。
気になっているものは旅から帰り気がついたらみんな死んでいた主人公が、どう正気を保って旅を続けるかという話だった。

「それは、どうするんです?」

「なにかを売り歩くのかな? あらすじを見るとそんな感じみたいだけど、
表どうするんだろう。リッチになりすぎず程よく儲かる数値にしないと飽きてしまう、あの辺り苦手らしいけど」

「らしいよって」

「あー、あいつは、そうだな」

「友達。変なヤツだけど極悪でもないんだ」

彼女が首を傾げたり、彼が適当な相づちを打ったり。

「とりあえず、ギャンブル性のあるミニゲームとか、やたら高いアイテムでどうにかするのが定石じゃないかな」

「うーん、なかなか儲からないシステムの方がよくないか」

「現実においては飽きるとか言う場合じゃないですね」

「ゲームとの違いだな」
2019/06/23 22:17
「数値というと、敵に対しても言えるかな」

と彼は言う。
ちなみにぼくらは傘をさして歩いている。
さほど雨は降っていないのだが、モンスターGOのフリをする集団が、先ほどからあちこちに待ち伏せて撮影をしようとしているのだった。
芸能人か。パパラッチですか、と突っ込んでもどうにもならない。

「あぁ、敵は少し強いくらいが良いけど強すぎても倒せないからね……」

本当こんな話をする場合ではないかもしれないけど、仕方がない場合もあるかもしれない。

「むしろ、倒す必要はあるんだろうか?」

「交渉と、エサ、どちら派?」

「眠らせる派かな」

「仲間にするの大体リードとかつけないけど逆にすごいですよね、犬はつけてますし」

「そう、多頭飼いしてても、あまり怖がられないよね」

「リードとか首輪は、やはり、犬が犬たるゆえんじゃないだろうか」
 なんて話をしながら、角を曲がる。たしか、ええと、ぼくらの家より少し奥だから……
と脳内に地図を広げる。

「実際こいつらなんなんだ? 一日にベンツを3台続けて見たぞ、こんな田舎で!」

彼があきれたようにちらっと横からついてくる車について言う。

「あいつらじゃね?」
「え、まじ、いんの?」

誰かがまるでぼくらについて言いふらしているかのような言葉が、背後からボソボソ聞こえる。さりげなく、そちらをうかがうと、傘の下からでも、コミケで有名、らしい人気フリーゲームの派手なバッグを持つ姿を確認した。一人はヲタクらしい。
「……」

改めて言うが、人がまばらな田舎においてあまりアニメやゲームグッズを身に纏う人間はそう居ない。高齢者が多いからでもあるし、単に店が少ないからでもある。つい最近になってアニメショップがぽつぽつ増えてきはしたが、派手な装いで来るやつは大半都会帰りと未だ相場がおよそ決まっている。

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