黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
私はキッチンに置いていた鍋と保存容器を見せると、
「カレー作っといたよ。こっちは冷凍しとくね」
と見せる。
修はそれを見て、またため息。
「家でメシなんて食えないって。忙しくて帰る間もないし」
「でも『ここにいる』ってメールしたら帰ってきてくれたじゃん」
「それはたまたま」
「ふうん」
私がニヤニヤしていると、修は不機嫌そうに眉を寄せる。
「……何だ、その顔は」
修の不貞腐れた顔を見て、私は思わず笑った。
修は私が好き。私も修が好き。それはわかってる。
だから、修はいつでも私には優しいし、ずっとこんな日が続くものだと思っていた。