僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
葵咲ちゃんは僕に熱がないか確認したかったのか、僕の額にかかる前髪を少しかき上げてから、そこでハッとしたように動きを止めた。
「……?」
よく見えない目を眇めて、思いのほかすぐ傍にある彼女の顔を見つめ返すと、「傷、大きいね」と申し訳なさそうに呟かれた。
「ごめんね理人。……これ、絶対痛かったよね」
葵咲ちゃんの指先が、僕の額の傷跡を恐る恐るたどる。
その仕草が優しくてくすぐったくて、僕は何だか変な気分になる。
包帯こそ取れたけれど、僕のおでこにはまだ縫った跡が生々しく残っている。
先日、仕事の合間を縫って何とか抜糸だけはしてもらった。そのときに医者から傷自体は半年ほどかけてゆっくり目立たなくなっていくと説明を受けた。
ゆくゆくは殆ど見えなくなりますよ、と太鼓判を押されたけれど、さすがに今はまだかなり目立つ。
忙しくて髪を切りに行けなかったのと、このところの眼鏡生活とで、周りからの視線が比較的傷にいかないようになっていたから、僕自身この傷のことをすっかり失念していた。
(迂闊だった!)
傷を一番見せたらいけない相手に見せて……心配させてしまっている。
「……?」
よく見えない目を眇めて、思いのほかすぐ傍にある彼女の顔を見つめ返すと、「傷、大きいね」と申し訳なさそうに呟かれた。
「ごめんね理人。……これ、絶対痛かったよね」
葵咲ちゃんの指先が、僕の額の傷跡を恐る恐るたどる。
その仕草が優しくてくすぐったくて、僕は何だか変な気分になる。
包帯こそ取れたけれど、僕のおでこにはまだ縫った跡が生々しく残っている。
先日、仕事の合間を縫って何とか抜糸だけはしてもらった。そのときに医者から傷自体は半年ほどかけてゆっくり目立たなくなっていくと説明を受けた。
ゆくゆくは殆ど見えなくなりますよ、と太鼓判を押されたけれど、さすがに今はまだかなり目立つ。
忙しくて髪を切りに行けなかったのと、このところの眼鏡生活とで、周りからの視線が比較的傷にいかないようになっていたから、僕自身この傷のことをすっかり失念していた。
(迂闊だった!)
傷を一番見せたらいけない相手に見せて……心配させてしまっている。