蒼い炎
そして、俺は彼女の頼みを断れない。
毛むくじゃらは結局ペットとなり(もちろん即刻洗わせた)、ステファナは嬉しそうに笑う。
そうだ。俺はこの笑顔が見たかった。だから彼女の望みをないがしろにして、自分の理想を突き付けることが出来なかった。
「ありがとうございます、テオファニス様!」
飽きずに俺を呼ぶステファナを愛おしく思っていたのだ。
彼女の頬に触れる。俺にはもったいないくらいの娘。だが、素行はいい加減に気品を持て。
「ステファナ、お前は俺のものだ。だから、少しは大人しくしろ」
「…テオファニス様の意地悪」
不機嫌そうに膨らんだ頬から手を離す。
ころころ変わる表情に癒されるのも、愛嬌があると感じるのも、俺を振り回すのも、全部お前が初めてだから。大事にされていろと思うのに、彼女はそれを許さない。
だが、2人の日々は俺を楽しませてくれる。孤独を埋めてくれる。それだけで、十分だ。