蒼い炎
数年の時が経った。ステファナの興味は尽きない。そして、俺を困らせる。
だが、外からの来訪は、2人の生活が始まって初めてのことだった。
「…ワンっ」
「どうしたクリス」
ステファナに拾われた毛むくじゃらは、クリスと名付けられた。そして、そのクリスは驚くことに毛を刈ってみると優美な犬だった。今ではクリスの方が、気品があると言っても過言ではない。
執務室のドア付近で眠っていたはずのクリスが突然立ち上がり、鳴く。俺の方を見たかと思うと、バタバタと足音が聞こえてくるドアを見つめている。
その足音の主はもちろんステファナで、ノックもせずに部屋に転がり込んでくる。
クリスがステファナを叱るように鼻先で彼女の手を突く。
「あぁ、ごめんなさい。クリス」
どっちが飼い主だ。
「ステファナ、そんなに慌ててどうした」
「ッそうでした!お客さんがいらしたみたいなんですが…」
「客?」
まさか王の使いか?どちらにせよ、ステファナが見つかるのはまずい。