蒼い炎
「テオファニス様」
思考を断つように凛とした声が耳を貫く。肩に触れた手は、決意に満ちていて…。
振り返った先にいるステファナは、強い瞳で俺を射抜く。
そうか、お前は捨て置けないのだろう。自分と同じ境遇に陥った娘を。その娘を愛する男を。俺と、お前に重ねたか…。
…覚悟を決めよう。王に逆らう、王の敵に。正真正銘、悪役になることを。
お前がそう、望むのならば、俺は王に逆らう。
男に視線を向ける。迷いなど、捨てろ。俺は、王に逆らう。この世界の悪役なのだから。
「連れてこい」
「ッ…」
「そのリリスとかいう女も、お前も。だが、ここに来る以上、お前たちは俺の所有物だ。俺の言うことがお前たちの全てだ」
「…ッありがとうございます。ありがとうございます…」
お礼を繰り返す男を強制的に立ち上がらせて屋敷から追い出す。
さて、2人増えると言うことは部屋を整えなければならない。執務室の向かいの2つ、確か倉庫と化していたな。あそこを片付けるとして、問題は身なり。見たところなかなかの下層の者のようだ。どこぞの誰かのようになってもらってもらっては敵わないからな。