蒼い炎

「テオファニス様、ステファナにできることはありますか!」
 嬉々とした顔で俺を見るな。できることはないかとか言いながらほうきとバケツを持つな。
 いろいろ言いたいことをすべてため息に混ぜて吐き出し、執務室の向かえの部屋の掃除とだけ伝えると、既に目の前にいなかった。
 階段を見ればクリスと共に階段を駆け上がっていく後姿がある。
 …全く、人の苦労も知らずに…。
 こぼれたのは苦笑い。だが、彼女に振り回されるのは嫌いではない。
 階段を上がる。一応、部屋にある物に目を通すべきだろう。ステファナが何をするか分かったものではない。
 案の定、物を持って迷走するステファナの姿があり、必要なものといらないものを分けていく。
「テオファニス様、ありがとうございます」
「なぜステファナが礼を言う」
「へへ…」
「…っふ」
 言うだけ野暮か。ステファナと共に荷物を運び出しては選別するという作業を繰り返した。
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