蒼い炎
「客間で話せ。終わったら2階の左、突き当りの部屋に来い」
客間の部屋を指さし、背を向ける。目を離したステファナが何をしでかしているか気になる。背後からかかった言葉に適当に答え、急いで2階に上がる。
「テオファニス様!いらっしゃいましたか?」
「あぁ。ステファナ、来なさい」
「はい!」
肩を抱くと素直についてくる。幸い、何も仕出かさなかったらしい。クリスは空気を読んだのか、執務室の前で伏せる。頭のいいペットだな。
ステファナを伴い、執務室に入り手前のソファーに腰を降ろす。目の前で立つステファナの手を引き、膝の上に乗せる。
「ステファナ」
「はい、テオファニス様」
言葉など、必要ない。ステファナを抱き寄せ、その首筋に牙を立てる。背に回る手に力がこもる。
この時間は他の何にも代えがたい。ステファナを傍に感じられる時だ。それを味わう度に手放せなくなっていく。…いや、ステファナをここに置いた時からずっとだ。孤独を失った時から、ステファナを手放すことなどできないのだから。