蒼い炎
ファナの頬から手を離す。その時、不意にファナの呼吸が乱れる。
「ファナ…?ファナ!?」
「…ッはぁ、はぁっうぅ」
表情のなかった顔に苦しげな様子が浮かぶ。瞼が震える。意識が戻りかかっているのか。
離していた手を再び頬に当てる。
「ファナ、目を開けるんだ!ファナ」
「…」
瞼が震え、徐々に上がる。そして、俺を映した赤い瞳は潤み、今にも涙をこぼしそうだった。
「ファナ、俺が分かるか」
「…て、お」
掠れきった声。だが、俺を呼んだその声に言葉にならない熱がこみあげてくる。
そっと抱きしめた体は弱々しく俺を包もうとする。
「ファナ…」
話したいことも、伝えなければならないことも山のようにあるのに、何もかも言葉にならずただ名前を呼ぶことしかできない。情けない。だが、それでもいい。
ファナがこの腕に返ってきたと言うのなら、今はそれで…。
思えば意識のあるファナを抱いたのはずっと前のことのように思える。空いた時間を埋めるようにきつく体を抱きしめ続けた。