蒼い炎
「ッう…」
「ファナ?痛いのか」
「あ…う」
顔を覗き込めば、ファナの赤い瞳は揺れる。飢えが痛みを呼んでいるのだろう。
すぐさまファナの口元に手首を当てる。だが、いつもなら噛みついてくるのに全く牙を立てない。それどころか嫌だと言わんばかりに顔をそむけようとする。
「ファナ、飲むんだ」
「…や」
「ファナ」
なぜ我慢などするんだ。いつまでたっても噛みつく気配のないファナにしびれを切らし、己の手首に噛みつく。その瞬間、血の匂いが部屋を包む。ファナは表情を更にゆがめ、それでも目をきつく閉じて顔をそむける。
強情な。手首から溢れる血を口に溜める。顔を背け続けているファナの顔を強引に正面に戻し、口を重ねる。
「ッん…」
無理矢理飲ませると、流石に抑えられなくなったのか傷つけた手首を近づけただけで、自分で噛みついてくる。そうだ。それでいい。
必死に飲んでいるが、口の端からやはりこぼす。相変わらず下手だな。開いている方の手でファナの頭を撫でる。