蒼い炎
「引き取り手に名乗りを上げる者もおりますが」
「っは、ぬかせ。どうせよからぬことを考える野蛮な者たちであろう」
気に食わない。まさに神からの授かりものと言っても過言ではない子を捨てた同胞も。宝を玩具のように見る同胞も。
何もかも、気に食わない。
荒い足取りで青年が向かった部屋にはたくさんの本が並ぶ。奥の大きな窓を背にして置かれたデスクに腰を下ろした青年は、肘をつき、顎を乗せる。
「では、皇帝に進呈されますか」
「ぬかせ。城にやる気はない」
「では、どうなさるおつもりで」
「…キリル。あれは、俺が拾った。ならば、所有権は私にある。違うか」
青年の言葉にあからさまに顔を歪めた従者。そんな従者を青年は鼻で笑う。
「しかし、テオファニス様…」
「決めた。あれは俺の物だ。暇つぶしに子育てをするのも悪くない」
強引に話を進める青年に従者はため息をこぼす。どこか楽しげな主人は神からの授かりものであるあの幼子をどうするつもりなのか…。