蒼い炎
「お前の力は時戻りの力だ。その力は、とても貴重なものだ。…だが、お前はその力を使うことで、自分の時間を失ってしまう」
「…」
「お前は、時を戻した分、その時間の寿命を失う。…つまり、死が近くなるということだ。だからファナ。俺は、お前にその力を使ってほしくないんだ。俺は、ファナが俺より先に死ぬのは見たくない」
少し開いた距離を、ファナの体を引き寄せて埋める。抵抗もなく、俺の腕に納まったファナはあまりにも小さい。
「だから、ファナ約束しろ。その力は使わないと、誓ってくれ」
「…うん」
「いい子だ」
頭を撫でてやる。大人しく腕の中に納まるファナは小さな手で抱きしめ返してくる。
失いたくない。それは、かつて消えた者への思いか…。だが、例えそうだとしても、俺はもう、俺のものが消えるのを見たくないんだ。
「…テオ、どこにも、行かないよ」
「ファナ」
「ファナ、テオと一緒にいるよ。だから、泣かないで」
…情けない。俺の頬に触れるファナの手は優しい。ファナを不安にさせてしまうほど、弱さを見せるなど、今回限りだ。このような失態、もう二度としない。