蒼い炎

 …いや、ファナは自分のために泣いているのではない。俺のために、泣いているのか。
「ファナ、テオ好きだよ。大好きだよ。だから、ここにいるの。ファナ、テオと一緒にずっといるの」
「…あぁ。お前は、ここにいろ。俺のものとして、永遠に」
 言葉をかき集めて、懸命に伝えてこようとするファナが、これ以上に愛おしいと思ったことなどあっただろうか。
 小さな背を包みこみ、この腕の中に閉じ込めた小さな体は、懸命に俺の孤独を埋めようとしがみついてくる。
 その愛しさは、何物にも代えがたい温かさを持っていて、柄にもなく嬉しかった。
「テオ」
「ん?」
「ファナ、食べていいよ?」
「…随分大胆なことを言うようになったな。お前は」
「ファナ、おとな!」
「子どもだ」
「む」
 眉間にしわを寄せるファナの顔を両手で包む。
 嬉しそうに笑うファナにまた心が安らぐのを感じた。
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