蒼い炎
「キリル、引き続き親の調査を。あれを捨てた者を野放しにするな」
「御意」
頭を下げ、部屋を去っていく従者を見送り、青年はデスクの端に寄せてあった書類を引き寄せる。
そこにあるのは実に様々な報告書や調査書。
それらに目を通していく青年は不意に紙を束ねてあるひもに視線を奪われる。
「…」
指を鳴らせば、先ほどの女と同じ顔をした女が姿を見せる。ひもに視線を落としたまま、青年は口を開く。
「首に巻くひもを用意しろ」
「首に巻くひも…ですか」
「勘違いするな。ペットの首に巻くだろう。だが、あのような無粋なものではなく、愛嬌のあるものにしろ」
「…いくつかご用意いたします」
下がっていく女を見送り、青年は笑みを浮かべる。
紙を束ねるひもを弄ぶようにしながら、頭に浮かぶのは幼子だ。
久しぶりに得た新たな所有物に青年は歓喜を覚えながら、再び仕事に手を付けていった。