蒼い炎
「…っんく」
「…ようやく起きたか」
血を分け与えて早3日。少女の意志か、それまで慎重に喉に流していた血が飲み下される。
青年が少女から離れ、その顔を覗き込むとゆらゆらと揺れる瞳が青年の姿を映す。少女の赤い瞳は随分落着きを取り戻していた。
何度か瞬きを繰り返した少女は、気だるげに青年に視線を向ける。よく見えないのか目を細めたりして、ようやく焦点が合う。
(…だれ)
銀色の髪、赤い瞳。端整な顔の青年だ。微笑んでいるのに、どこか冷たい。
(こわい)
少女は知らず知らずのうちに布団を握り締める。
「お前の名は」
「…」
「お前はなぜ人の世にいたんだ」
「…」
「口がきけないのか?まさか、言葉を知らないとでも言うんじゃないだろうな」
少女は答えない。いや、答えられないのだ。
青年の言っていることは少女にとって聞いたこともない“言葉”ばかりだったから。