蒼い炎

 しばらく少女の答えを待っていた青年だが、やがて諦める。だが、落胆した顔など見せず、むしろ笑みを浮かべて少女を見る。
「何色にも染まっていないと言うなら、それでいい。いいか、お前は俺の所有物だ。お前のすべては、俺が決める。いいな」
「…」
 少女の頬に手を添え、撫でる。
 少しだけ血色がよくなったおかげか、少女の愛嬌のある顔に青年は頬を緩める。
 金糸の髪は伸び放題で酷いありさまだが、自分を見る目は大きく、くりくりしている上に、ぽ~と開いた口も自然に色づいている。大きくなればそれなりの美人になるだろう。今はかわいいという言葉が合う幼子だが、将来有望だ。
「お前はファナだ。ファナ、言ってみろ」
「…ふぁ…な」
「そうだ。お前の名だ。ファナ」
「…ふぁ、な…」
 なまえ…。ふぁな…。
 少女は…ファナは頬に添えられた手に頭を傾ける。青年の表情が柔らかくなるのを見て、自然にファナの表情も緩んだ
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