蒼い炎
「ファナ、あれは怖がるものではないぞ」
「ん…てお…」
「こら、勝手に起き上がるな」
生まれたての動物のように手をプルプルさせて体を起こしたファナの背に手を回し、抱き寄せると精いっぱいの力でテオファニスに抱き着く。その目はまだ怯えた色でキリルを盗み見ているようだ。
「ファナ。あれはキリルだ」
「…てお」
「怖がることはない。キリルは顔が怖いだけだ」
「テオファニス様…」
苦虫を潰したような顔になるキリルを横目に笑い、ファナの顔を覗き込む。
「ファナ。キリルだ」
「…き…い…りゅ?」
「いい子だ。ファナ」
頭を撫でてやれば抱き着いてきて目を閉じる。そして、知らぬうちに寝息を立てていたファナに驚きつつもベッドに寝かしつけた。