蒼い炎
「疲れて寝たか」
「テオファニス様、お食事は…」
「キリル、うるさいぞ。いつも通り取る。移動させろ」
「御意」
テオファニスはベッドから立ち上がり、部屋を出て行く。入れ違うように顔の同じ女が部屋に入って行く。
自室に向かって歩くと、キリルが自然と後ろに着く。
「テオファニス様」
「なんだ」
「…ファナという名は、ステファナ様の…」
「キリル」
不意に足を止めたテオファニスは、振り返りキリルを鋭く睨みつける。
「今後、その名を口にすれば無事では済まぬと思え」
「…出過ぎたことを致しました。申し訳ありません」
深々と頭を下げるキリルを置いて歩く。
早足に進んでいく主の背を見つめていたキリルは、1つ息を吐いて主との距離を詰めた。