蒼い炎
「リリス」
「はい、テオファニス様」
「赤子の食事を少量用意してくれ」
「…ファナ様にですか?」
「なんだ、知っていたのか」
「キリル様に教えていただきました。可愛らしい幼子であると」
「自分の目で確かるといい。できたら呼べ。食べさせる」
「承知いたしました。30分ほどお待ちください」
深々と頭を下げた少女、リリスは流れるような動作で執務室を出て行く。それを見送ったテオファニスが、キリルに視線を向けると、少し顔を赤くさせてそっぽを向いている。
「可愛らしい幼子か」
「テオファニス様…」
「お前に気に入られたなら、ファナも安心するだろう」
苦虫を噛んだような顔をするキリルを笑い、仕事に手を付ける。キリルがばれない様についたため息は指摘せず、書類に目を通した。