蒼い炎



テオファニスside

 ファナを拾って14日が経った。少しは体力がついたのか起きている時間が少しずつだが伸びてくる。固形物もある程度食べられるようになったが、相変わらず吸血は下手だ。
 リリスを伴い、ファナの部屋に向かう。決まった時間に食事を与えているおかげかその時間には自然と起きている。
「ファナ…ファナ?」
「どうかなされましたか?」
 ドアを開け、部屋に入るといつも眠たそうな顔でベッドにいるファナの姿がない。ベッドの下や家具の影にもいない。
 顔を覗かせたリリスもファナの姿が見当たらないことに気づいたようだ。
「キリル様にお伝えします」
 すぐに部屋を飛び出していくリリスに続いて部屋を出る。
 今までファナが出歩くことなどなかった。部屋の外に出るのは風呂の時くらいだ。その時間でさえファナは寝ていることがほとんどで、ファナが部屋以外のことを知っているとは到底思えない。
 どこに行った。自然に沸いた不安を振り払う。早足に屋敷の中を歩いた。
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