蒼い炎

「テオファニス様!」
「見つかったか」
 時間にして15分ほど経った。
廊下を駆けてきたキリルが持って来た、玄関の前と言う報告にすぐさま足を向けて向かう。玄関に近づいていくにつれて、泣き叫ぶ声が聞こえる。
「ファナ」
「っ…うわぁぁあああん」
 ホールの前、無表情の女に抱かれたファナを呼んだ瞬間、俺を見てまた泣き叫びながら手を伸ばしてくる。女からファナを受け取ると、しっかり抱きついて来てしゃっくりを上げる。こんなに泣くなら、勝手に動き回るな…。
 追いついたキリルは息を吐き、眼鏡を押し上げた。
「全く、なんで勝手に出た」
「うぅ…」
 しがみつきながらも泣き止んでしゃっくりを上げるファナ。知らせを聞いたリリスも飛んできて、ほっとした表情を見せる。
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