蒼い炎
それにしても、勝手に部屋を出たあげく屋敷から出ようとするとはどういうつもりだ。懐いて来たかと思えば逃げ出すようなことを…。
冷静になれば、ファナの素性は全く分からないままなのだ。なぜ人の世にいたのか、なぜ親が名乗り出てこないのか、なぜ捨てられたのか。全く分からないまま。
どのみち、ファナには仕置きをしなければ。また外に出ようという気を起こさせないためにも…。
ファナを叱りつけようと口を開こうとした。その前に抱き上げているファナの視線に合わせたリリスが微笑んで、ファナを撫でる。
「テオファニス様を探しているうちに迷子になってしまったのですね」
リリスの言葉に思わず耳を疑い、眉を潜める。
俺を探して迷子…?いつも食事時になれば部屋に行ってるだろう。それほど腹が減っていたということか?
ファナはまだしゃっくりをしながらしがみついてきている。
俺が浮かべている怪訝な表情に気づいたらしいリリスはファナから視線を外し、見上げてくる。